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2009年4月

2009年4月 1日 (水)

ニュースレター第116号 新生ユーラシアンクラブは地域密着型で子どもにウェートを

ユーラシアンクラブニュースレター第116号2009年4月1日


新生ユーラシアンクラブの活動は
地域密着型で子どもにウェートを置きます 大野 遼

    ユーラシアンクラブを創設してさまざまな活動を展開してきましたが、活動する地域や呼びかける対象について考えることがなく、不特定な地域、人間に対してメッセージを発するということをこれまで続けてきました。

    このことが、団体としての活動の広がりや結果に結びつかない大きな問題の原因の一つであることだったと最近強く思っています。

    私は、現在クラブの会議室のある渋谷区と道(甲州街道)一つ隔てて面している新宿区という「地元」での活動にウェートを置くことと、私が居住する神奈川県愛川町の二ヶ所での活動の再構築に取り組むべく活動計画について仲間の皆さんと議論してきました。

    その結果、ユーラシアという地域の中でも、日本人と文化の形成に深いかかわりを持ちながら、これまで日本人の間で比較的に認識されることが希薄であった内陸アジア、特にアジア・シルクロードと読んでいい地域の諸民族の文化や暮らしについて知っていただく「もっとアジアを」「もっとシルクロードを」知っていただく活動を、渋谷区、新宿区、神奈川県愛川町を中心に固め、改めて活動の仕切り直しを行うことにしました。

    また、活動の対象の重要な柱の一つとして「子どもたち」を特に掲げることにしました。理由は、理解の必要なアジアの未来、次代を担う子どもたちにこそアジアの姿を普及することが大変重要であることに思い至ったことです。 これまでのニュースレターでも書いてきたとおり、大人は一般に、自分の日々の生活を維持し今に生きることに追われ、未来のために活動できる余裕がなく、これまで教育されてきた欧米中心の世界観を変えて、アジア諸民族の人たちとともに向かい合って理解親睦協力のために努力することができにくい状況にあることを知る一方で、進行するアジアの時代に備えて、これから大人になる子供たちにこそ「アジア」を届けることが緊急の課題だと気づいたためです。

    これまで18年間、さまざまな活動を行ってきましたが、それを集大成して、渋谷区、新宿区、神奈川県愛川町で集中して展開していくことにします。

    その展開の拠点のひとつになる会議室では、現在モンゴル語、ダリー語の教室、加藤九祚シルクロードアカデミーが開講されていますが、4月からロシア語講座、さらに文化教室として、馬頭琴教室、タブラ(小太鼓)教室、シルクロードの楽典―ウィグル12ムカム講座、なども行い、その幅を広げていく予定です。

    また、元モンゴル相撲の学生チャンピオンでモンゴル子ども文化基金を創設、ふるさとの子どもたち300人以上に就学支援を行っているバーボルドさん、混乱の続くアフガニスタンで職業学校の建設準備を続ける江藤セデカさん、祖国ネパールの国民的ミュージシャンで貧しい子どもたちのために学校を建設し就学支援を行いながらコンサート活動を展開している竹笛バンスリの天才パンチャ・ラマさんの三人の活動を特に支援しながら、日本の子どもたちにアジアを知ってもらうことにしました。

    特に現在検討中のプロジェクトが「アジアの未来を子どもに託すプログラム」で、スカイペなどインタネットを活用して、直接現地の子どもたちと対話を実現する方法も取り入れて、子どもにアジアを知ってもらう「アジア子ども未来プロジェクト」を進めます。

    このほど私が居住する神奈川県愛川町には、ユーラシアンクラブの支部の位置づけで、独立採算で活動する「愛川サライ」を設置し、7人の事務局と幹事会が地域の特色にあった活動を進めることになりました。本部の運営委員会はまだ脆弱ですが、今後充実しながら活動の再構成を図る考えです。

    ささやかながら地域密着型の新生ユーラシアンクラブの軌道は以上のような方向で展開されることになりました。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
    【写真】上はパンチャ・ラマさん、下は左からバーボルドーさん、江藤セデカさん。


ユーラシアンフォーラム・"シリーズ2009"
講座受講者募集中です

    アジア・シルクロードの民族理解講座シリーズ 2009年プログラムは「加藤九祚シルクロードアカデミー」、「モンゴル語教室中級編」、「ダリー語教室」、「空港から話せるロシア語会話」など同封のチラシの通り開催または準備中です。
    皆さまのご参加をお待ちしております。どうぞ、お気軽にお問い合せ下さい。

    会場:ユーラシアンクラブ会議室(定員10人)
    時間:別紙をご参照下さい。
    会費:別紙をご参照下さい。
    フォーラム後スピーカー・演奏者と参加者の懇談会
    先着順(会場が狭いため、必ず事前にお申し込みください)

    【申し込み】ファックスかメールでお願いします。Fax:046-285-4895 mail:paf02266@nifty.ne.jp
    【全体の問合せ】090-3814-5322(大野遼)か上記メールまたはファックスでお願いします。


壮大なデュエットの芸術
~ハトラーエフ夫妻のホームページの紹介~ その2 井出晃憲

    http://www.khatylaev.sakhaopenworld.org/index.html

    前回はホームページの概要を紹介したので、今回は細部を紹介していくことにしよう。ページの細部は、イントロダクションのほか、ビデオ、音楽、サハの楽器、アメリカとメキシコへのツアーに分かれている。

    ビデオのページでは、ホムスのルドミラ=エフィモヴァとドラムのバルドルジ=ホークヘイギンと共演した2006年のヤクーツクでの公演のサンプルが4曲、日本の太鼓グループ"鼓童"と共演した2006年のヤクーツクでの公演のサンプルが2曲、ハトラーエフ夫妻の2007年の韓国での公演のサンプルが1曲、それぞれ迫力あるライブ映像とともに視聴できるようになっている。

    "鼓童"との共演はユーラシアンクラブ代表大野遼がコーディネートを任され成功させたものである。

    音楽のページでは、2004年のアルバム"The Sacred Thread of Creation"から全15曲、2005年のアルバム"The Blessing Songs of Nature"から全12曲、2006年のアルバム"The Blessed Way"から全9曲、美しいアルバムのジャケットを眺めながら、各曲1分間ずつ視聴できる仕組みになっている。

    サンプルを視聴して気に入ったものを見出してからCDを買い求めることができる。

    サハの楽器のページでは、サハの伝統的な楽器をサンプルのビデオ映像とともに紹介している。トップはホムスで、「枝分かれしたフレームの基部に一方の端を固定した薄い金属の舌によって構成される楽器である。

    プレーヤーは自分の口の中でフレームを保持し、それが共鳴空洞を形作り、そして楽器の舌を鳴らすのだ。」と簡潔に説明されている。次いでキリームパという"サハのバイオリン"と呼ばれる2弦の弦楽器が紹介されている。

    さらに、大小のギターのようなタンシル、太鼓のようなドゥングル、マラカスのようなシクシール、角笛のようなアイアーン。そういった興味深い伝統的な楽器がサンプルのビデオ映像によって紹介されている。どういった音色なのかはぜひホープページを開いて実際に聴いていただきたい。

    最後に、夫妻が昨年訪れてコンサートを開いたアメリカとメキシコへのツアーの様子がスナップ写真とともに紹介されている。ワシントンをはじめとする各地のホールや学校、大学などで行われた"Siberian Heat"と題されたコンサートが盛況だった様子がホームページから察せられる。

    夫妻は長い間忘れ去られてきたサハの音楽技法を復活させ、それを普及させる活動に献身してきた十分な実績を持っているが、以上見てきたように、インターネットという現代のテクノロジーを駆使して、さらにその音楽を広めていこうと努力していることには本当に脱帽する。

    最近の話題としては、この3月1日に、ハトラーエフ夫妻が育成した伝統音楽の子供のグループの演奏によるコンサートがヤクーツクにて開催され、注目されたという情報も夫妻自身からクラブに寄せられた。今後も夫妻がサハの伝統音楽の普及に活躍されることを願ってやまない。(完)
    【写真】ワシントンでのハトラーエフ夫妻のスナップ


コペンハーゲンで決めよう「地救」のルール
地救フォーラム in 高野山

    日程:2009年4月25日(土)13:00~基調報告・パネル討論・宿坊交流
    26日(日)4分科会と全体集会
    特別公演・三浦雄一郎
    会場:高野山大学(和歌山県伊都郡高野町高野山385)
    主催:MAKE tne RULEキャンペーン実行委員会等

    テーマ:加速する温暖化、まだ間に合う!コペンハーゲンで決めよう「地救」のルール

    主旨:温暖化防止に向けた2013年以降の世界の取り組み方向を決めるため、2009年12月7日からデンマークのコペンハーゲンで開かれる国際会議(=COP15)は、まさに人類の生存がかかる重要な会議です。しかし、各国の利害や思惑から交渉は難航が予想され、その成否は予断を許しません。

    私たちは、世界のすべての国が科学の警告を真剣に受け止め、COP15で有意義な合意と協力が成立することを、またこの機会において日本が世界をリードする役割を果たすことを心から願い、この催しを開きます。

    参加費:資料代等、一般1000円、学生500円、高校生以下無料
    宿泊費:一泊二食9,500円(一部屋3名)

    スピーカー[50音順]:浅岡美恵(気候ネットワーク代表)、飯田哲也(環境エネルギー政策研究所代表)、枝廣淳子(環境ジャーナリスト)、後藤太栄(高野町長)、田中優(未来バンク事業組合理事長)、西岡秀三(国立環境研究所参与)、浜中裕徳(地球環境戦略研究機関理事長/元地球環境審議官)、松長有慶(高野山真言宗官長/全日本仏教会会長)、三浦雄一郎(プロスキーヤー/冒険家)、フランツ=ミカエル・スキョル・メルビン(在日デンマーク大使)、他
    事務局:わかやま環境ネットワーク 電話073-432-0234 URL:http://2050earth.org


ウズベク・カラバク遺跡発掘支援ボランテイア
4月8日出発 支援募金を託す

    カラバク遺跡の体験発掘ボランテイアは4月8日から4名で発掘支援に出発します。皆さまから頂いた支援募金もトウルグノフ先生にお渡しするよう加藤九祚先生に託しました。今回の支援活動が無事、成功裏に遂行されることを祈念します。
    支援募金ありがとうございました。


写真展「シルクロード自転車紀行カフカスの風に乗って」

    4月1~12日迄、台東区上野公園7の47・上野グリーンサロン内、東京パークスギャラリー上野で同展を開催します。
    08年6月にアルメニアとグルジアを走った参加者10人がペダルをこぎながら水と緑の美しいカフカス高原の自然とそこに暮らす人々の様子を撮った40点。月曜休廊。
    主催:シルクロード雑学大学 電話042-573-7667


ユーラシア短信 イラク、アフガニスタン情勢

    イラク開戦6年 治安は改善、衛生・医療などなお深刻
    【カイロ=平田篤央】米軍などによるイラク戦争が始まって6周年となった20日、首都バグダッドでは駐留米軍の即時撤退を求めるデモが開かれたが、限定的なものに終わった。

    一時は内戦状態といわれた治安は大幅に改善をみせている。ただ、衛生や医療など人々の暮らしは依然として厳しい。(略)

    06年から泥沼化したシーア派とスンニ派の宗派対立は落ち着きを見せている。米ブルッキングス研究所によると、06年10月には月に3700人を超えた民間人の死者は07年に入ると減り、09年の1、2月は合わせて約450人となっている。

    オバマ米大統領は先月、米軍が来年8月末までにイラクでの戦闘任務を終えると発表。今年6月末までには都市部から撤退する。だがテロが根絶したわけではない。今月9日にはイラクの警察部隊を狙った自爆テロで85人が死傷した。

    国連や援助機関は、治安改善の陰で市民の生活状況は深刻だと指摘している。国内避難民は約270万人以上、国外難民も200万人と推定される。昨年1年間で国内避難民のうち約20万人がもと住んでいた土地に戻ったが、すでに別人が暮らしているなどの理由で、自分の家に戻れたのは17%未満だ。

    全土で約4割の家庭が水道を利用できていない。昨年夏に深刻だったコレラ被害は冬になって収まったが、今年に入ってから保健所に報告された下痢の件数は9万件近い。

    失業率は公式統計で17.5%だが実態はそれを大きく上回るとみられる。また全世帯の1割は、夫を失った女性が世帯主だ。

    赤十字国際委員会のケレンバーガー委員長は5日間の現地視察後、19日に声明を出し「水道、保健を提供する政府の努力にもかかわらず、人道状況は深刻だ」と指摘。

    「人々が必要とするものは、我々の提供できる緊急援助を上回る」として、国際社会による一層の支援を訴えた。2009年3月22日asahi.com http://www.asahi.com/international

    アフガン:市民の武装化懸念
    【ニューデリー栗田慎一】アフガニスタンで22日以降、少なくとも市民計7人が米軍や北大西洋条約機構(NATO)軍に殺害され、市民の犠牲を巡る論議が再燃している。

    アフガン内務省幹部は最近、一般市民が外国軍への攻撃に参加している可能性を指摘。市民が町や村を守るために武装して戦った旧ソ連軍侵攻時(79~89年)と似た状況が生まれている恐れもある。(略)

    国連の調査では、空爆や戦闘に巻き込まれて死んだ市民は08年に過去最悪の約2100人となり、前年の4割も増加。復讐(ふくしゅう)のため武器を取るケースも増えているとされる。また、旧支配勢力タリバンが地方有力者らに「外国軍に協力しなければ治安を守る」と密約しているとの指摘もある。

    内務省幹部は毎日新聞に「ソ連軍侵攻時と同様、市民と武装勢力との区別がつかなくなる」と懸念を示した。毎日新聞2009年3月28日http://mainichi.jp/select/world/news
    【写真】アフガンにて ユニセフ「世界の子どもたち」より


百歳には限りがない
~ロシアの長寿地域からの報告 その1 Oda Dmitry

    現在,全世界のどこの国々でも少子化と老齢化の問題に直面しています。ロシアも同じです。ですが,ある特徴があります。

    冬が九ヵ月も長くつづき,太陽の光が少なくて,野菜や果物がなくて、偏った食事をしていても百歳を超える高齢者が大勢いるところ。極寒の地で生き延びることができるところ。そこはどこでしょう。ロシアの東北地方にあるサハ共和国です。

    厳しい大陸性気候で、土は永久凍土に包まれ、冬の気温は-60℃。夏は一転35℃にもなり、寒暖の差が100℃前後にもなるサハ共和国。そのサハ地方は、帝国ロシア時代から百歳以上が多く暮らすところとして有名でした。帝国時代も,今も100,000人当たり百歳高齢者の人数ではロシア国内で2~3位を占めています。

    現在、80歳~99歳の高齢者260人,百歳を超えた高齢者56人が暮らしています。百歳以上の女性は48人、男性は僅か8人です。百歳高齢者の半分以上は首都ヤクーツク市から離れた,だいぶ遠い田舎の方に住んでいます。

    たとえば,10,000人に10人の比率で高齢者が暮らしている地域はスンタル地区,モムスキイ地区,コビャイスキイ地域区,ビリュイスキイ地区,ジガンスキイ地区です。

    科学者のリヴォフ氏(Ljvov)(著書に1974年出版の「ヤクート地方における暮らし方と高齢の研究」)の研究によると、高齢者の多いところは住み心地の良い共和国の中央地域ですが,世界一の寒冷地であるペルホヤンスキイ地区とオイミャコン地区にも長生きしている高齢者が多いそうです。

    そのひとり,アナバル地区のワルワラ・セメンニコワ氏は、一番の長生きの高齢者で117歳(1890年5月10日産まれ)でした。残念ながら,2008年2月この世を去ってしまいました。(以下次号)

    編集部注:サハ共和国とは
    ロシア連邦サハ共和国は、2005年開催の愛知万博に、"ユカギルマンモス"を出展した国で、首都はヤクーツク市。国土は、310万平方kmで日本の8.5倍、ほぼインドと同じ広さ。しかし人口は100万人弱で、人口密度は0.3人/1平方kmです。120の民族が居住し、大まかにロシア人45%、ヤクート人40%。

    ヤクート人はトルコ系の民族です。「サハ」とは、ヤクート人が自分たちのことをいうときの名前で、ヤクート人の国、という意味です。サハ人はサハ語を話し、トルコのイスタンブールでも7~8割方通じます。日本人のような容貌を持っています。

    資源が豊富で、特にサハ産のダイヤモンドはロシア産の99%を占め、ほかにもレナ炭田などの大きな炭田があり、ヤクート油田には豊富な石油と天然ガスが埋蔵されているといわれています。
    【地図】サハ共和国の位置


バイオマス産業社会ネットワーク(BIN)第86回研究会
「地域におけるバイオガス利用と森林酪農」のご案内

    日 時:2009年4月15日(水)18:30~
    テーマ:「地域におけるバイオガス利用と森林酪農」
    講演者:内藤 弘(アミタ株式会社循環社会調査室室長)
    会 場:環境パートナーシップオフィス(渋谷区神宮前5-53-67コスモス青山B2F)地下鉄表参道駅より徒歩5分・JR他渋谷駅より徒歩10分 http://www.geic.or.jp/geic/intro/access.html#epo
    参加費:BIN会員 無料、一般 1000円

    ※第86回研究会は、アミタ株式会社循環社会調査室室長の内藤弘氏による「地域におけるバイオガス利用と森林酪農」です。

    ※アミタ(株)は、資源リサイクル事業を中心に自然産業創出事業等を行なっていますが、今回は、京都府北部の京丹後市におけるバイオガス利用事業の事例について詳しくお話いただきます。

    ※助成事業が終了した後、バイオマス利用事業をいかに継続的に行なっていくかが、全国的な課題となっています。

    ※そうした中で、同社がどのような工夫によって採算ベースにのせようとしているかなどについて伺います。また、同社は隣接して、手入れが充分でなかった雑木林に牛を放牧する「森林酪農」を展開しています。

    ※総合的なバイオマス利用のあり方について、参加者の皆様と議論を行なえれば大変、幸いです。

    ※参加を希望される方は、下記よりお申し込みください。 http://www.npobin.net/apply/(画面右端の「詳細」ボタンをクリックしてください。)


シカチアリャン採拓紀行 その4 井出 晃憲

    翌10月1日。作業2日目である。この日はメンバーを2つのグループに分けた。拓本保存会の林、田中、山内の各氏と通訳のオーリャは第1グループで、前日に収穫のあった第2ポイントでもう一度採り残した岩絵の採拓をした後、初めてとなる第4ポイントに向かうことになった。

    拓本保存会の久藤夫妻、久場の各氏と筆者である井出は第2グループで、直接初めてとなる第3ポイントに向かうこととした。

    前日の打ち合わせのとおり朝8時30分に起床し9時に出発。限られた時間でできる限りの成果を上げようと効率よく準備を進める。キャンプ地近くの川岸から案内役のグレゴーリ氏が我々を順々に持ち場にボートで送り届けてくれる。

    第2ポイントから見て第3はアムールの支流を少し遡上した所、第4はそのさらに上流に位置する。筆者ら第2グループは先に出発した第1グループが第2ポイントで作業しているのを垣間見つつ第3ポイントに到着し、そこで作業を開始した。

    鬼のようなマスクやよくはわからないが美人画のような岩絵など面白いものをいくつか発見でき、各自採拓の作業に入った。そのうち第2ポイントで作業を終えた第1グループが第4ポイントを目指し我々の前をボートで通過しお互い手を振り合った。そこまでは順調だった。

    だが、しばらくしてグレゴーリ氏が筆者らのいる第3ポイントに一人ボートで戻り筆者に通訳をしてくれと言ってきた。いったいどうしたのだろう?ボートでアムールの中州に来てみると第1グループの保存会の3名の方々が待っていた。

    グレゴーリ氏はここが第3ポイントだと言っているとのこと。だが、オクラドニコフの資料の地図によっても第4ポイントは中州にはなくアムール支流の右岸であることは明らかなはずだ。グレゴーリ氏にそう説明して皆でボートに乗り川をまた遡上して行く。

    まもなく支流の右岸の砂地の場所に到着し、ここが第4ポイントなのではないかとグレゴーリ氏は言う。しかし、第3ポイントは小さな小川が流れ込んでいる合流地点の川上で河岸段丘の上には墓地があることが地図からも分かるのだが、グレゴーリ氏の指す場所にはそのような特徴はない。

    山内氏は、グレゴーリ氏は読図もできないのではないかと立腹される。パイロットでもあるグレゴーリ氏に地図が読めないはずはないと思うのだが…。

    さらに、大学を卒業したてのオーリャさんがまだ十分な通訳の役目を果たせないことにも苛立ちを感じておられるご様子だ。

    ともかく、もう少し上流にまで行ってみようと相談して、ゆっくりとボートを右岸に沿って遡上させていった。すでにシカチアリャン村から離れ隣のマリシェボという町の区域に入った。

    ほどなく小川との合流地点を越え、丘の上に墓地のある第4ポイントと思われる場所に到着した。さっそく下船して皆で岩絵の探索を開始した。しかし何もない。本当に何もないのだ。砂ばかりで岩すらも…。(続く)

    【写真】上:第一グループの出発 左からグレゴーリ、山内、林の各氏。下:砂ばかりで岩すらない第4ポイント。丘の上に墓地が見える。


編集後記:パキスタン北西部、部族支配地域のアフガン国境から30㎞のモスクで自爆テロがあり、48人が死亡したと言われます。米軍の無人機によるパキスタン領内への頻繁な越境攻撃をパキスタン政府が容認していることへの抗議との見方もあります。オバマ大統領は3/27新戦略を発表しましたが、アルカイダがパキスタンを拠点にしている、としてパキスタンの過激派攻撃を強化しようとしています。これはパキスタンのアフガン化にほかならず、アフガンの泥沼化が一層拡大されることが懸念されます。(高橋)


発行:特定非営利活動法人ユーラシアンクラブ 発行人:大野遼 住所:〒151-0053東京都渋谷区代々木2-13-2 第一広田ビルTEL:03-5371-5548 FAX:046-285-4895 E-MAIL:paf02266@nifty.ne.jp ホームペイジ:http://eurasianclub.cocolog-nifty.com/ 郵便振替:00190-7-87777ユーラシアンクラブ。お振り込の場合:ゆうちょ銀行0一九店 当座預金 0087777 ユーラシアンクラブ 会費、ご寄付はこちらへお願い致します。ご連絡はメールかファックスを希望します。
2009 04 01 Non Profit Organization Eurasian Club

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