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2009年8月

2009年8月 3日 (月)

ニュースレター第120号 今必要なウィグル人への敬意と民族政策の転換

ユーラシアンクラブニュースレター第120号2009年8月1日


今必要なウィグル人への敬意と民族政策の転換 大野 遼

    中国のウィグル人が民族的危機感を感じている。広東の玩具工場で発生したウィグル人襲撃事件をきっかけに、ウルムチを始めウィグル各地で行われたウィグル人の平和的なデモや暴動、軍事鎮圧、漢民族によるウィグル人襲撃などを愁えてのことである。

    マスコミの報道は統制され、電話もインターネットも遮断され、詳しい情報がほとんど入らない中で、紙面上では紹介を憚れる悲劇的な事件が、騒乱の初期にウィグル人の間に現地発で伝わった。

    日本も含め「国家」は、少数・先住民族と折り合いをつけることができていない。欧米諸国によるアフリカ、アメリカ、オーストラリア、そしてアジアの植民地支配。遅れて、第四の植民地帝国を目指した日本の大東亜構想。そして第二次世界大戦後、中国では内モンゴル、チベット、ウィグルの軍事支配が「国内問題」として、また今はウイグルで「西部大開発」を掲げて、「植民」が進行している。

    考えてみればギリシャの昔から、国家やポリス(人工都市)は、植民と資源や奴隷の略奪をしながら「民主主義」を語ってきた。略奪される側の痛みに目を背けてきた歴史である。日本でも「土人」として同化政策を進めたアイヌを先住民族として認めたのはつい最近の2008年6月のことだった(ニュースレター107号参照)。

    新疆ウィグル自治区への漢族の「植民」を促す「西部大開発」は、石油、天然ガスなど天山山脈とヒマラヤ・パミール高原の間にかけて広がるタリム盆地の地下資源確保である。

    新彊ウィグル自治区発足(1955年)以前には2%(1949年:4%とも)に過ぎなかった漢民族は、現在では過半数(40%とも)を超え、小中学校でも漢語の教育が始まり、2003年からは大学での授業は漢語のみとなった。

    「植民」の結果の漢語教育であり、ウィグル人の若者の沿岸部への就職斡旋は、漢民族という海がウィグル人を吸収する形になっている。

    広東の玩具工場でのデマによるウィグル人襲撃事件は、漢民族の内部にある不満が差別的に扱われるウィグル人に向けられることで発生した。関東大震災における在日朝鮮人への悲劇的事件を思い出した。

    ウィグル人は、今概して「分離独立」を掲げる「イスラム原理主義者」「テロリスト」の仲間であるかのように疑いをかけられている。空港の出入国の厳しいチェック、帰国後の公安当局の調査は詳細、峻烈で、在日ウィグル人の言動も常に監視されているといった具合で、実に居心地の良くない状態が続いている。

    ●アジアや日本、中国へ高い貢献
    ウィグル人は、もともとアジアや日本、中国と中国人に対して大変貢献してきた民族である。特に音楽の分野では、タリム盆地の西端カシュガルに伝わる西域音楽の楽典「12ムカム」は、ウィグルが伝えるアジアの音楽史を象徴する音楽の体系として重要視される。

    玄奘三蔵も「大唐西域記」で「亀茲の管絃伎楽は特に優れている」と記すなど、中国の音楽文化の形成に重大な貢献をした。日本の江戸歌舞伎も現在新疆ウィグル自治区、昔天山ウィグル王国あるいは西域と記されたこの地域から伝来した散楽、琵琶、クーブーズ(中国三弦の原型)が日本の風土で融合して誕生したものである。日本を含むアジアの音楽文化への貢献度も高い。

    しかし中国は現在「中華」を国名にうたっている。この言葉は元々「華夏」に始まり、黄河流域で漢字を中心とする文明を生んだ漢民族の祖先を「優れた民族」、周辺の民族を「夷狄」(野蛮人)とする考えを含んでいる。

    とはいえ今日の中国は、秦(西戎;チベット系、トルコ系?)、五胡十六国(西戎、北狄;匈奴、チベット、鮮卑、モンゴル系、ツングース系など)、隋・唐(鮮卑)、元(モンゴル)、清(南方ツングース系満州族)等、さまざまな民族が支配する王朝を繰り返し、文化的にも民族的にも混血融合を重ねてきた国である。少数民族の軽視は国家の自己否定にほかならないと思う。

    ●民族共生の政治対話が必要
    私は、13億人を越える人口と56の諸民族で構成される「国家」が、「民族の共生」という21世紀最大の課題で成功を収めることを心から祈っている人間の1人である。そのためには、国際的にも指摘されている「植民」に伴う「漢語教育への転換」「若者の沿岸部への移送」などの問題が改善されることが必要だ。

    「民族の共生」というテーマは、中国の「国内問題」などではなく、グローバリズムが蔽う地球が少数民族を視野に入れた多文化共生という、地球で人類が生き残れるかどうかを左右する重大問題だと思う。

    地球上には、日本も含めて、今日の先進諸国の繁栄の礎になった多くの民族が、歴史という民族興亡の時空を超えて少数民族となっていることが多い。少数民族に敬意を払うことが国家の責任だと考える。

    これは今という政治の問題である。中国政府の政治的リーダーの決断に属する課題である。治安・軍政重視から、「民族共生」の方策を正面から探る対話を基礎にした民族政策への転換を希望する。

    【メモ:ウィグル人】
    歴史的には、もともとアルタイ山脈からバイカル湖周辺にかけて暮らす遊牧騎馬民族であったが、8世紀を中心としてモンゴル高原で100年ほど突厥時代に続くトルコ系民族の帝国を築き、唐代中国が安史の乱で一時長安を放棄した際には、唐を支援し長安を回復させた。

    元の時代には、天山ウィグル王国(ほぼ現在のウィグル自治区を占める)の王がチンギスハーンの娘婿として、元朝の支配層として優遇され、多くのウィグル人が徴税、交易など経済分野で活躍。

    文化面でも、イスラム化する前のトルコ人の文化として楽器「火不思(クーブーズ)」がモンゴル人を通して漢民族の間に普及し、現在でも使用されている中国の三弦(大三弦、中三弦、小三弦)の原型となったと考えられている。またウィグル文字からモンゴル文字が作られ、満州文字も誕生するなどアジアの文化形成に大きな役割を果たしてきた。

    ウィグル人は、天山山脈に依拠した烏孫、突厥などトルコ系文化だけでなく、ソグドをはじめとするペルシャ系文化、インドやチベット、モンゴル、漢民族の文化などと融合する境界型民族として変貌を遂げながら、アジアのトルコ化とイスラム化を象徴する民族となり、中央アジアと中国の東西の交流の架け橋として今日に至っている。もともと音楽や踊りが好きな陽気な人々が多い。
    【写真】ウィグル12ムカムの演奏


イラク・バビロンの遺跡、米軍駐留で損壊 ユネスコ調査

    【カイロ和田浩明】イラク中部の古代都市バビロンの遺跡がイラク戦争後の米軍駐留などで大きく損壊していたことが、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の調査で明らかになった。

    ユネスコが9日に発表した報告書によると、遺跡の敷地内に多数の溝が掘られて未発見の埋蔵物が破壊されたり、重機などの使用で古代の寺院や路面が損害を受けた。報告書は、世界遺産登録を視野に損害の調査と修復を進めるようイラク当局に勧告している。

    バビロンはバグダッドの南約90キロに位置。世界最古の法典の一つを整備したハンムラビ王らが治めた。約5000年前の存在の記録が残っている。外壁内の面積は約10平方キロ。イラク戦争開始直後の03年4月に占拠され、同年9月から04年12月まで、米軍とポーランド軍などが「キャンプ・アルファ」基地として使用した。

    ユネスコの報告書によると、敷地内には長さ13~162メートル、幅や深さが約1~3メートルの溝8本が掘られていた。また、表土が広範囲にはぎ取られたり、整地された場所も20カ所以上あった。こうした工事は防御設備などの構築を目的に施されたとみられる。

    溝のうち少なくとも2本は、未発見の埋蔵物の一部を掘り起こしていることが確認された。また、重機の移動でネブカドネザル2世王(紀元前6055年ごろ~562年在位)が建設した宮殿に通じる「行列道路」の路面が損壊した。

    寺院の一部は屋根が崩壊しており、近くの発着場を利用するヘリコプターの振動が原因だった可能性があるという。7月13日毎日新聞http://mainichi.jp/ 
    【写真】ハンムラビ法典(部分) ルーブル美術館蔵 紀元前1792~1750年頃


「アセアン」紀行2008 第4回
 英語という選択:シンガポールの文化戦略 若林 一平

    シンガポールの公用語は英語、マレー語、中国語、タミル語の4つである。タミル語はインド系の市民の使う言語である。華人主体の国でありながら公用語筆頭に英語がくる点にシンガポールの言語政策の最大の特徴がある。

    さて英語を公用語とする意味だが。それは英語という語学のスキル・運用能力を誇ること「ではない」のである。国際化というと英語化・欧米化を想定することが間違いであることと同義である。公用語としての英語の意味は民族や地域の多様性を尊重する戦略の延長上にある。

    経済紙のフィナンシャルタイムズ(FT)が例年世界のMBA(経営大学院)ランキングを発表している。09年版を見てみよう。パリとシンガポールに拠点を置くインシアド(INSEAD)はスタンフードやMITのビジネススクールを抜いて第5位につけている。公用語としての英語が世界からの学生募集の際の参入障壁を一気に低くしていることは言うまでもない。それだけ優秀な学生を集めやすいのである。

    インシアドは欧州中心の考えをとらず、パリとシンガポールはヨーロッパとアジアにある2大拠点という位置づけである。じっさいそういう目でシンガポールを見ると公用語の中にブリックス(BRICs)の2強である中国とインド(タミル語)が入っている。それだけ今日の世界を学ぶのにシンガポールが有利ということだ。

    FTのランキングにはシンガポールから24位にナンヤンのビジネススクールそして34位に国立シンガポール大学(NUS)が入っている。ちなみに日本からは100位以内に1校も無い。

    シンガポールはビジネス一辺倒かといえば全然そんなことはない。たとえばFTのランキング入りしている国立シンガポール大学は100カ国・地域から3万人の学生が集う世界的総合大学である。

    法学部・医学部・工学部のほかに人文社会系も充実している。シンガポール大学の文化資産の豊富さを知るには大学付属の美術館の見学をおすすめしたい。"NUS Museum, University Cultural Centre"とタクシーに告げればよい。入場無料は外国人にはありがたい。

    美術館の入り口では現代アーチストのフランシス・ンによるインスタレーション「わたしはここにいた(I WAS HERE)」が出迎えてくれる。筆者が訪ねたとき、館内ではキロン・ロビンソンとレイニ・セリグマンによる広々とした木材を使った本格的インスタレーションが展示されていた。裸足で作品の上を歩けることは言うまでない。現代アートのおもしろさそしてうれしさである。

    ひるがえってこの列島ではどうだろう。言語の問題はとても文化戦略の水準ではない。英語はもっぱらスキルとして認識されており、はっきりいってしまえば英語教育はどうかんがえても語学産業の利益にしか寄与していない。

    言語政策不在のもとでの英語重視は百害あって一利無し。小学校での英語必修など論外である。小学校で語学を学ぶのなら、この列島の文化の多様性を知るためにアイヌ語や韓国語を語学科目に入れるべきである。

    かつて敵性語という言葉があった。敵性語は英語であった。敵の言葉はよくない。使ってもいけない、と。しかし事実は逆だ。敵の言葉だからこそより深くこれを認識すべきなのだ。これを戦略とよぶ。
    【写真】NUS美術館前のインスタレーション「わたしはここにいた(I WAS HERE)」(2008年12月、シンガポールで筆者撮影)


「アフガンに命の水を」
~ペシャワール会26年目の闘い~DVD完成 

    30年に及ぶ戦乱と干ばつに苦しむアフガニスタンの難民を支援している非政府組織「ペシャワール会」(事務局・福岡市)が同国東部で2003年から建造してきた全長約24キロの農業用水路が近く完成する。善意の寄付金と汗で成し遂げる難事業。同会は用水路完成までの歩みを記録したDVD「アフガンに命の水を ペシャワール会26年目の闘い」を作り、販売を始めた。益金をさらなる支援に役立てる。

    DVDは01年9月11日の米中枢同時テロ後のアフガンで米軍の空爆が始まった中、現地で貧困層に食糧を配給するスタッフの活動なども含めた過去10年間の映像を56分間にまとめている。用水路の建造も同時テロ後の危険な環境で敢行された。(略)

    限られた資金の中、用水路の護岸建設には筑後川の伝統的工法を採用。針金で作ったかごに石を詰めて積み上げ、地雷から抜き取った火薬を掘削工事の爆薬に転用した。

    建設中には悲劇もあった。昨年夏、スタッフの伊藤和也さん=当時(31)=が武装グループに殺害されたが、中村医師たちは現地にとどまって工事を継続。現地は今、気温50度を超す猛暑に見舞われているが、ついに最終段階を迎えている。

    同会によると、用水路の建造で、傭兵(ようへい)や難民にならざるを得なかった人々を延べ60万人雇用でき、3千ヘクタールの田畑がよみがえり、15万人が暮らせるようになったという。

    DVDは、中村医師が西日本新聞に寄せた文章などを収録した小冊子付きで2625円。ナレーションは俳優の菅原文太さんが無償で引き受けた。送料不要。製作:日本電波ニュース社 申し込みは同会=092-731-2372 西日本新聞2009年7月29日http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/ より

    「医者、用水路を拓(ひら)く」(石風社)が学会賞を受賞
    現地代表中村哲医師(62)の著作「医者、用水路を拓(ひら)く」(石風社)が、農業土木技術の発展を目指す農業農村工学会学会賞の著作賞に決まった。近く筑波大学で授賞式がある。


日本の中期目標と国内政策の見直しの必要性が明らかに
G8と主要経済国フォーラムの結果について

    NPO気候ネットワークは、イタリアのラクイラで、G8サミットとG8+5会合、及び主要経済国フォーラムの成果についてコメントを発表しました。以下概要です。

    1.長期のゴール及び先進国の長期目標で一歩前進
    今回のG8サミットでは、気候変動問題に関して、先進国全体として「2050年までに80%以上削減」と、自らの責任を明確にした。

    また、今回の合意として新しいのは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の科学に基づき、「広範な科学的見解が世界の平均気温が産業革命前のレベルから2℃を超えるべきではないとしていることを認識」した点であり、これは、実質的に、2℃を超えないことをゴールと位置づけたと等しいといえる。

    2.キャップ&トレード方式の導入を評価し、各国導入を促す
    宣言の中には、市場メカニズムについて、「キャップ・アンド・トレード方式は、実施されたところでは 大部分が成功であることを証明」と評価し、「炭素市場を可能な限り拡大し、コストを引き下げ、排出枠取引スキームを調整するため、我々同士や他の国々と協力する」と、各国の排出量取引の導入とそのリンクをしていくために協力する方針が示されている。

    3.資金メカニズムについて、財務大臣に秋までに報告を要請
    オバマ米大統領は、終了後にMEFについての記者発表の中で、「今秋ピッツバーグで行われるG20会合において、気候変動に関する資金メカニズムについてG20の財務大臣らが取り上げ、我々に報告をすることを要請した」と発表した。

    12月のコペンハーゲン合意では、排出削減・抑制や、温暖化の悪影響への適応などのほかに、具体的な行動の資金を安定的に確保する資金メカニズムの構築が求められているところである。

    4.日本に対して示唆すること
    世界的に見れば、今回のG8、G8+5、MEFの一連の会合は、野心的なコペンハーゲン合意に向けて、各国首脳のリーダーシップが最大限に発揮されたと言えるものではないが、今回の合意事項のいくつかが日本に示唆することは大きい。

    まず、今回のG8宣言で、気温が2℃を超えるべきでないこと、2050年の目標を80%とすべきとの認識を日本も共有したことを歓迎する。これは、6月10日に麻生首相が発表した「2005年比15%削減」の日本の中期目標策定における議論では前提とされていなかったことであり、さっそく、自らその見直しを求めることになるだろう。

    世界で目指す温暖化抑制のレベルがどうであれ、日本の目標は変わらないということでは、2℃との整合性の説明として到底不十分であることはあきらかだ。

    2℃のゴールが、EUを超えてG8のみならず新興国も含めた認識になった今、日本は、IPCCの示す「2020年に90年比25~40%削減」の数値と改めて照らし合わせ、速やかに、自らの中期目標を再検討すべき宿題を負った。

    さらに、国内排出量取引についても、キャップ&トレード方式の排出量取引制度の成果を評価し、今後の取引市場の拡大・リンクを目指す方針が示された。日本の国内において未だ存在しない、キャップ&トレード方式の排出量取引の導入議論を加速させる必要性はいうまでもない。

    自主行動計画の延長線上でこれを補完するものでしかない日本型国内排出量取引の試行の点検に時間を費やすのではなく、今回の合意を受け、日本は、早急に、試行的取組から、義務的参加によるキャップ&トレード方式へと移行する段取りを具体化させる必要がある。

    最後に、世界の低炭素化へ貢献する資金メカニズムの構築に向け、日本としても積極貢献する必要がある。 http://www.kikonet.org/ より

    【写真】フランス、パリのバス優先のための逆行レーン。道全体は一方通行の道路だが、右端の車線をバス専用の逆方向への車線として利用している。(2002.10.5,S.Minami) 「全国地球温暖化防止活動推進センターホームページより(http://www.jccca.org/)


中国、上海など四都市で人民元を決済通貨に

    各紙の報道によると、中国は7月から人民元による貿易決済を上海など四都市で試験的にはじめました。ドル一辺倒だった決済通貨を多様化する試みと見られます。

    中国人民銀行や財務省は「境界を超える貿易の人民元決済管理規則」を公布。上海市と広東省の広州、珠海など四都市で国が指定する企業に限って人民元による決済を認めました。元建て貿易が出来る相手は香港、マカオの他インドネシア、マレーシアなどASEAN各国の企業です。貿易業者は元建ての取引を行えば減税措置が受けられる、とも伝えられます。

    交通銀行のチーフエコノミストは、5年後には中国・香港間貿易の50%が元建てで行われる可能性があるとの見方を示し、「来年は元の価値が見直され、国際貿易の決済で使用される機会が増えるだろう」と話しました。

    ASEANのプシュパナタン副事務局長は、アジア企業は世界で最も急速な成長を続ける中国市場でシェアを確保するため、元決済を進んで受け入れる可能性があると指摘。「世界貿易で中国の比重が増していることを考えると、貿易業者らは元決済が持つ経済合理性に気付くかもしれない」と付け加えました。

    南寧市の潘和均副市長は「多くの国が中国を現在の世界的な経済危機の救世主とみている。各国が元を貿易決済通貨として使い、準備金として保有したいと考えるのは当然だ」と話しました。(以上、産経新聞などより)


ウイグル暴動「調査団派遣を」

    7月30日 読売新聞
    来日中の亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長(米国在住)は29日、都内で読売新聞と会見し、中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチで今月5日に起きた暴動について、「中国は都合の良い情報を流している」と述べ、日本政府と国連に対し、真相究明のため、調査団を現地に派遣するよう求めた。

    中国政府の発表では暴動の死者数は197人だが、カーディル議長は、現地からの情報として、「数千人にのぼる」と述べた。

    議長は、暴動後、ウルムチ以外の地方各地で、ウイグル族の拘束などの弾圧が続いていることを明らかにし、「大半は暴動と無関係だ」とし、早期釈放を訴えた。議長は「(中国建国以来)60年間、ウイグル人は弾圧に苦しんできた。悲惨なウイグル人の状況を訴えるため来日した」と述べた。


当世中国事情3 北京の水不足と迫る砂漠、
そして市民の取り組み 井出 晃憲

    北京オリンピックの際に心配された水不足は諸々の対策で何とか乗り切ったが、北京の水不足は相変わらず深刻な状態が続いており、それと同時に深刻な砂漠化の問題も存在する。

    サーチナの報道によると、「もともと中国の1人当たり水資源量は年2200m3で、これは世界平均の約4分の1しかない。その上、地理的・時間的な水資源分布の不均衡がある。南方は降雨量も多く、その水資源は豊富であるのに対し、北方は降雨量が少なく、河川の流水量も多くない。

    更に言えば、華北地方には北京、天津という大都市を抱えているため、1人当たりの水資源量は極めて少なくなる。特に、北京の1人当たり水資源量は年300m3とされ、生活する上で最低水準と言われる年2000m3をはるかに下回り、世界平均の30分の1しかない」状態だという。

    その少なさには驚いてしまうが、北京に実際に生活している限り、その水不足の深刻さは実感できない。ふんだんに水は出る。ただし、水質汚染の問題もあるため、飲料水はポリタンク入りのものを購入する家庭が多いが。

    これは、北京の2か所のダムと地下水の汲み上げという自前のほか、近隣のやはり水不足に悩む山西省や河北省のダムから大量の水を直接引いているためで、抜本的な問題解決には至っていない。

    砂漠化については、最近、一つの砂丘が北京からわずか80キロの距離に迫っていると報道されている。砂漠化は、自然的、人為的な要因が重なって発生するものだが、特に中国北方では人為的な開墾が砂漠化のペースを加速させている。

    市内でもおり砂の害は深刻だ。黄砂の吹く時期はもとより、普段から厳重に戸締りをしていても家の中まで砂は入り込んでくる。

    こうした環境問題の解決には大規模な施策を講じなければならないが、南部長江の水資源により北部の慢性的な水不足を解消する「南水北調」プロジェクトが、今年春に北京市で5年延期されると発表され、10億立方メートルの水資源が送り込まれる予定が2014年にずれ込むことになり、北京市の水資源を取りまく状況は今後一層厳しさを増すことが明確となった。

    そのような中、近年では市民個々人の自覚と草の根の取り組みも芽生えてきている。例えば、身近なところでは日々の節水の努力をしたり、また北京郊外における植林活動へ参加したりすることなどだ。荒れ山に苗木を植林することで砂の四散を防ぎ、涵養林を育成する。

    さらに先進的な例では、周囲で有機農作物を生産することで食の安全にも配慮し、荒れ山の資源化により環境と社会経済双方に利益をもたらし、循環型の生態系を回復させようという試みを非営利環境保護団体が行っている。

    私もそのいくつかに参加していたのだが、団体は高い理想を持って活動していると感じられた。そのような小さな一歩がやがては大きな変化をもたらすのだろう。
    【写真】植林活動の現場のひとつ 提供:筆者


編集後記:米不動産仲介会社の調査によると、2009年上半期の住宅差し押さえ件数は190万件で過去最高に。今後、失業の増加により、今年の総件数が400万件に達すると予想。2008年約320万件。06年からの4年間で1,000万件を超すと見られます。政府の対策はローンを先送りしただけ。テントとフードスタンプでの暮らしは、長引き、困窮を極めています。一方、公的資金の援助を受けたゴールドマン・サックスなど大手の金融機関は、わずか半年で資金を返済し、巨額のボーナスを払いました。経済危機の元凶には全くメスを入れず、税金投入の上、野放しで優遇。まさに盗人に追い銭では。(高橋)


発行:特定非営利活動法人ユーラシアンクラブ 発行人:大野遼 住所:〒151-0053東京都渋谷区代々木2-13-2 第一広田ビルTEL:03-5371-5548 FAX:046-285-4895 E-MAIL:paf02266@nifty.ne.jp ホームペイジ:http://eurasianclub.cocolog-nifty.com/ 郵便振替:00190-7-87777ユーラシアンクラブ。お振り込の場合:ゆうちょ銀行0一九店 当座預金 0087777 ユーラシアンクラブ 会費、ご寄付はこちらへお願い致します。ご連絡はメールかファックスを希望します。
2009 08 01 Non Profit Organization Eurasian Club

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