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2010年1月 3日 (日)

ニュースレター第125号 3月7日(日)にユーラシアンクラブの特別総会・新春交歓会

ユーラシアンクラブニュースレター第125号2010年1月1日


3月7日(日)にユーラシアンクラブの特別総会・新春交歓会

    シルクロードアカデミーのパイオニア・加藤九祚先生の米寿の挑戦を応援
    新年あけましておめでとうございます。
    この数年、「日本人クラブかのらの脱皮」などを模索してきたユーラシアンクラブは、これまでの議論を踏まえて役員の改選、機構改革、活動計画を報告する特別総会と新春交歓会を下記の日程と場所で開催することになりました。事務所も「日本橋移転」の予定です。

    総   会:2010年3月7日(日)午後1時から2時まで
    1 新体制と機構改革紹介 新理事紹介
    2 活動計画 日本橋プロジェクト 愛川プロジェクト
    3 その他 300人の村・シカチアリャン展示計画等

    新春交歓会:午後2時から4時まで
    会   費:4,500円
    カラテパ仏教遺跡調査出発直前の加藤先生を囲み、モンゴル、ネパールなどアジア・シルクロードの音楽演奏(ライハスロー、パンチャラマなど予定)
    会   場:JR中央線信濃町駅ビル1階「ジョン万次郎」
    共   催:モンゴル:ブフ・クラブ イーグル・アフガン復興協会
    ◎「加堂九祚一人雑誌 アイハヌム209号」発売中!2千円


「愛川町シルクロードのまちづくり実行委員会」が発足。愛川町に要望書を提出

    私は,神奈川県愛川町に転居して4年余り立ちましたが,その間,転居に協力していただいた大塚憲二さんをはじめ,四井恒夫さん,杉原信義・美智子夫妻,高橋英明さん,そして地元愛川町の瀧亀久男さん,繊維産業会の落合勝二さん,八木一郎さん,相原静夫さんら愛川町で地域振興のために地道に努力されている方々の援助を得て,愛川町のまちづくりの方向について模索し,私自身は愛川町のグランドデザインをまとめながら活動を続けてきました。

    その結果,ユーラシアンクラブ・愛川サライと財団法人繊維産業会,愛川町西部地域まちづくり推進委員会や町会議員,有志の皆さんと協力し,まちづくりのための協力団体「愛川町シルクロードのまちづくり実行委員会」を発足させました。

    今後,愛川町らしい個性溢れるまちづくりのコンセプトやビジョン,まちづくりに参加する地元の人の輪を形成しながら,活動を積み重ねていくことになりました。団体の代表には,繊維産業会の元理事長であった小島條太郎さんが就任しました。

    シンポジウム,フェスティバル,交流会,小学校での芸術鑑賞などこれから数年間は,子供たちに地域の歴史や誇りとアジアの情報を伝え,地元の方々の顔の見えるまちづくりを志して努力したいと考えています。引き続き皆さんのご理解ご支援をお願いいたします。(大野遼)


●ツアーメンバー募集中「NORIKO学級とナマンガン温泉浴そしてサマルカンド8日間」

    出発2月17日 旅行費用 198,000円
    ウズベキスタンのフェルガナ地方・リシタンにある日本語学校「NORIKO学級」を支援するリシタン・ジャパンセンター(RJC)スペシャルツアー。

    NORIKO学級を訪ね、子供達との交流をする他、ウズベキスタンでは珍しい天然温泉のナマンガンでの温泉浴そして世界遺産のサマルカンド観光など魅力的な企画が盛りだくさんです。

    添乗員はナマンガンの日ウズ合弁企業に通算7年間の駐在経験のある寺尾近三氏。豊富なウズベキスタンの経験と流暢なロシア語で皆様をご案内いたします。

    お問い合わせは(株)ロシア旅行社・担当加藤(電話:03-3238-9101、ファクス03-3238-9110)まで。
    URL:http://www.russia.co.jp/uzb_casia/teraospecial_0217/teraospecial_0217.htm


ユーラシアンクラブ文化講座

    ○1月のダリー語講座
    1月8日(金)19:001月22日(金)19:00-21:00
    アフガニスタン、タジキスタン、ウズベキスタンの一部でも通用し、ペルシャ語とも理解しあえるダリー語の実践的講座
    講師:江藤セデカ(NPO イーグル・アフガン協会理事長)
    受講料1 ヶ月5,000 円
    問い合せ電話:03-5366-6451 FAX:03-5366-6452

    ○「加藤九祚シルクロードアカデミー」1月の講座日程は未定
    土曜日15:00 から加藤先生著作の「アイハヌム」全9巻を教材にした本格ゼミ
    講師:加藤九祚(中央アジア研究の第一人者・民博名誉教授)
    受講料1 回2000 円(資料代・懇談費別)
    問い合わせpaf02266@nifty.ne.jp 090-3814-5322(大野遼)


他団体情報 アフガン研究会『特別企画』

藤井さんに聞く:目で見たアフガニスタンの現実

    藤井さんには、2007年11月にもお話をして頂きましたが、再びアフガニスタンの貴重なお話をうかがう機会がやってきました。藤井さんは、これまで約2年間、赤十字国際委員会アフガニスタン事務所で勤務していましたが、このたび一時帰国します。この機会に、厳しさを増しているアフガニスタンの現状について、実際の見聞に基づいてご報告をお願いします。
    研究会代表 上岡 弘二

    日時:2010年1月23日14時-16時半
    場所:パオ驢馬駱駝9F(JR東中野西口から徒歩3分、地図参照)会費:1000円なお、ご出席の場合、準備の都合上、以下の事務局に電子メールか電話又はファックスでご連絡を下さいますようお願い致します。
    アフガン研究会事務局 柴田紀子 電子メール: k-nsh@js2.so-net.ne.jp Tel&Fax: 047-477-1801
    驢馬駱駝 164-0003 東京都中野区東中野2-25-6 PAO COMPOUND 9F

    藤井 卓郎(ふじい たくろう)さん略歴
    1998年イスラマバード国立近代語学大学ウルドゥー語科修了。ペシャワール会、在アフガニスタン日本大使館、アフガニスタン合同選挙管理機構、JVC(日本国際ボランティアセンター)パキスタン地震救援事業勤務、そして、JVCアフガニスタン事務所駐在代表を経て、赤十字国際委員会アフガニスタン事務所でパシュトー語通訳。


他団体情報 日本シルクロード文化センター主催
シルクロード講座とシルクロードサロンのお誘い

    シルクロードの歴史に興味をお持ちの方、シルクロードを旅したいと思っている方、日本シルクロード文化センターでは、4月から毎月1回、シルクロード講座とシルクロード・サロンを開催しております。

    ラクダに乗った隊商が沙漠を行き交うイメージとはひと味違う、シルクロード諸民族の歴史、現代シルクロードの真実をともに学び、そこに住む人々の生活や文化を楽しみませんか。どうぞお気軽にご参加ください。

    1.新シルクロード講座「ゾロアスター教とイスラム教の結婚と離婚」
    講師:加藤九祚先生(シルクロード研究者)
    加藤九祚先生は今年で87歳。国立民族学博物館名誉教授、専攻はシベリア・中央アジアの文化史。定年退職後は、ウズベキスタンのテルメズ遺跡の発掘に関わり、再三、ウズベキスタン政府からも表彰されており、テルメズ名誉市民にもなっています。
    1月9日(土)(13:00~14:30)
    参加費(資料代):1,000円
    場所:みんなの広場小田急線和泉多摩川駅徒歩5分 狛江市東和泉2-20-12 えのき2番館103 Tel:03-3488-3981

    2.シルクロードサロン(14:30~16:00) 「ウイグルのお正月」
    日本在住のウイグル人ご夫妻のお話を聞きながら新年会を行います。参加費:500円(飲み物実費)
    講座、サロンのみの参加も出来ます。今回はサロン開始の時間がいつもと違いますのでご注意ください。 

    <問合せ・申込み>Tel & Fax: 03-3480-4478(野口)E-mail:silkroad-j@mtj.biglobe.ne.jp  
    <当日問合せ> 080-5483-6740(野口携帯)
    日本シルクロード文化センターホームページ:http://silkroad-j.lomo.jp/


文化を尊敬する魂を育む'中央アジア研究団体
「オクサス学会」設立

    12月14日,東京・霞ヶ関の東海大学交友会館で,中央アジアに興味のある団体関係者が集まり,アフガニスタンと中央アジア中央を東西に貫流するアムダリア川の古名「オクサス」を冠した学会を立ち上げた。

    発起人は,日本におけるシルクロードアカデミーのパイオニア,加藤九祚・国立民族学博物館名誉教授,前田耕作・アフガニスタン文化研究所長(和光大学名誉教授),古曳正夫・元シルクロード月刊雑誌「ハルブーザ」主宰者。

    万年雪におおわれた世界の屋根パミールの氷河に発して砂漠に消えるオクサス川(アムダリア)を広義の中央アジアの象徴として学会の名前として採用,中央アジアに興味を有する人は国籍を問わず誰にでも門戸を開き,年に一回「濃密な研究発表会」を開催し,紀要「シルクロード」の発行を目指す,としている。

    発起人の一人,古曳正夫さんの話
    「パミールから出て、東から西にカラクム砂漠を潤すアムダリア。その流域は古来重要な歴史の発信地だった。しかし、その北半分はソ連圏だった。欧米の学者が足を踏み入れることができないでいた70年間に、ソ連圏の学者が実績を重ね、いまロシア語の論文の山を築くに至っている。

    加藤九祚先生はこれらの論文を誰でも読めるように翻訳しようと志を立てられ、2001年に「一人雑誌・アイハヌム」を創刊された。一年に一冊ずつ、今年で9冊目になった。この功績により、今秋、加藤先生は関科学技術振興記念財団からパピルス賞を授与された(ニュースレター123号参照)。

    最近になって,これまで、英仏語で研究してこられた前田耕作先生と、ロシア語で研究してこられた加藤先生たちの間で、「一緒に研究しようじゃないか」という機運が湧きおこり、新たな学会が設立されることになった。

    そして素晴らしいニュースは、加藤先生と前田耕作先生が呼びかけ人となるこの学会が極めてオープンな性格であることだ。つまり学者だけでなく、われわれ素人も、外国人も参加でき、ジャンルも問わない。年に一度発行される学会誌「シルクロード」には、素人からの投稿も掲載される。来春早々、会員募集要項を発表するので注目してほしい」


特集:お正月

    日本でお正月は「暦」に基づき決定されている「年の初め」=元日
    であるが,人々の暮らしの時間を刻むこの「暦」は,国家、民族、宗教の歴史や季節感等を反映して実にさまざま。実は民族の数ほど「暦」があるといってよいほどだ。絶対的な「時」をどう理解するかは深遠なる哲学や宇宙観に属するテーマであり,人々は太陽や月,星の運行から「時間」を刻むことを始め「暦」が誕生した。

    「時間」の起点となる「紀元」についても,「キリスト紀元」「ローマ建国紀元」「ヒジュラ紀元」「仏滅紀元」「神武天皇紀元」「檀君紀元」と,国家民族宗教の特色を反映している。

    日本では,神話の時代からの時間を刻んでいるのが「神武天皇紀元」。有史以来採用した「暦」の数は,朝鮮半島の百済経由で7世紀に伝わった元嘉暦をはじめ9つ。日本海対岸にあったツングース系の渤海国から伝わった宣明暦862-1685の利用が最も長く実に823年間使用された。

    現在のグレゴリオ暦は,福沢諭吉なども推奨していたもので明治5年12月3日を明治6年1月1日にすることでそれまでの天保暦より一ヶ月早められ決定された。天保暦(旧暦)の一月は,グレゴリオ暦(新暦)の二月にあたり,現在の日本人は江戸時代の日本人より一ヶ月早く新年を祝うことになった。一ヶ月早い「正月」である。

    またグレゴリオ暦は,1582年にローマ教皇グレゴリウス13世がユリウス暦を改良して制定されたという経緯から,西欧の植民地の拡大とともに世界に広がった。日本は幕末明治の文明開化の時代に,中国暦から西洋暦に移行。欧米化,脱亜入欧の結果を示している。

    従って,この「正月」が,年に一回人々が祝う非日常のハレ(晴れ,晴れ着や晴れ舞台,良いものを着て,よいものを食べる年の節目・節句)の日だとすると,アジアは日本が浮かれているほどにはグレゴリオ暦の「正月」を祝っていない。

    [中国のお正月]
    日本が採用した旧暦が誕生した中国も1912年,中華民国成立(清朝滅亡)以来グレゴリオ暦を使用しているが,旧暦の正月を春節と呼んで,花火や爆竹を鳴らし最もにぎやかに祝っている。

    年越しに餃子など異なることもあるが,新しい服を着て,肉や魚の豪華な食事をして,家族団欒や親戚との交流,年長者へのあいさつをするなど日本とかわりはない。中国のほか,台湾・韓国・北朝鮮・ベトナム・シンガポール・マレーシア・インドネシア・ブルネイとモンゴルでは,正月といえば,旧正月のことである。

    グレゴリオ暦では,一月中旬から二月中旬にかけて。ちなみに,グレゴリオ暦2010年1月1日は,旧暦では2009年11月 17日(まだ11月です)。旧暦のお正月は,グレゴリオ暦では2010年2月 14日です。

    中国では何億人単位で帰省ラッシュが起こる,農作業開始前の中国伝統の農閑期の祭りが原点です。冬至から春分にかけての中間点を立春・節分(2月3日,4日頃)として一年の始まりと考えたのが「正月」の意味です。また,元日を祝わないお正月もある。

    [ネパールのお正月は秋] 
    仏教を創始した仏陀の誕生地ルンビニのある国だが,宗教の主流はヒンドゥー教。今年はネパール・ビクラム暦2066年(来年四月まで)で,4月14日が元日だったが,国民的な「お正月」はダサイン。

    ヒンズー教の千手観音のような姿のドゥルガという女神を祝う,盆と正月,収穫祭が一緒になった一年で一番大きなまつり。9月から10月の満月までの二週間,学校は休みになり,会社も一週間休み。働きに出ている人は田舎に帰り,店は閉まるので,町はがらんとした状態になる。

    人々は鶏,ヤギや野牛を犠牲にして普段食べられない肉を食べ,昼間から酒も飲む。着飾って,家族の団欒や親戚兄弟同士行ったり来たり交流し,観光に行ったり,普段できない好きなことを楽しむ。長老からティカと呼ぶ真紅の飾りを額につけてもらい,お年玉ももらう。(以上パンチャラマさん情報)

    [アフガニスタンの"お正月"は,グレゴリオ暦でいうと、3月21日]
    ナヴルズ(新年のお祭り)と呼ばれる、ゾロアスター教の時代にも遡る、長い歴史ある祭りです。学校も、このとき新しいクラスがスタートします。

    近年では、アメリカなど外国の部隊や支援者等とともに、クリスマスや、1月1日を祝う風習も流入し、アフガニスタンでも、これらを祭日として捉える人々も増えてきました。アメリカやヨーロッパ、インド、パキスタンなど、難民として暮らした外国で、このような祭日に馴染んだ人々が帰国したことも、影響しています。しかしやはり、私たちにとっての "新年"は、冬が去り緑の復活する3月21日です。

    アフガニスタンは昔から、農業を中心に暮らしてきました。しかし内陸アフガニスタンの冬は、緑が全て消え、大変厳しいものです。3月下旬、積もった雪の嵩が次第に低くなり、芽吹を迎える喜びは、ひとしおです。

    新年の朝は、干葡萄、杏、胡桃、アーモンド、ピスタチオなど7種類の果物のジュースを飲みます。アフガニスタンには、たくさんの種類の葡萄があります。1~2日かけて、干葡萄を水でもどして、ジュースにします。近隣のイラン、タジキスタンなどでも見られる習慣です。

    冬の間の食べ物は、肉も野菜類も、乾燥させた保存食ばかりなので、このジュースはとても新鮮で、新年~年の生まれ変わり~を祝う物です。

    新年には、白い鶏や魚も頂きます。白は縁起が良く、魚は、人の心身をきれいにすると考えられているからです。お墓参りも、新年の習慣の一つです。水、果物や花を供えて、祖先を偲ぶとともに、幸せを祈ります。婚約した人は、婿の方が魚と菓子を持って、嫁の家に挨拶に訪れます。

    農業を営んできた私たちにとって、緑とそれを育む雨は、とても大切です。新年には、これに因んだ風習が、いくつかあります。例えば新年には、緑を飾ります。麦の苗を作って飾るのです。降雨と麦の順調な育成への願いが表れています。この麦で、後日、胡桃や砂糖と一緒に擂って粉にし、お菓子を作ります。粉にするのは大変で、男性も含めた大勢の家族の作業です。

    緑の多い一年になってほしい、という願いが込められた、占いもあります。女性がブランコに乗って飛び降り、その降り立った場所で、新しい年に、雨が十分に降るかどうかを占うのです。緑は人の幸せと深く結びついており、芝生を結び合わせ、願い事をしたりもします。

    四つ葉のクローバーは、日本と同様、アフガニスタンでも、幸運を呼ぶとされています。ただし日本とは少し種類が違い、私たちはこの三つ葉を、塩で食べます。毎年、先祖のために新しい苗を植えたり、種を蒔いたりする習慣も、緑を愛で、緑に対する深い思いの表れです。

    畑など屋外の仕事ができず、家の中で絨毯織りなどの仕事をする冬の終わりは、1年の終わりでもあります。新年を迎えるまでに、家の掃除や料理など、全ての準備を終わらせ、"元日"は、普段のような仕事はしません。

    新年のジュースを飲んだり、ピラフを頂き、家族と過ごします。イランやアフガニスタン西部の方は、10日以上お祝いが続きますが、カブールなど南部では、正月祝いは、もっと短期間です。

    3月には、未だ新しい野菜はないので、前年に取れた野菜を保存したものを頂きます。秋にとれた野菜や果物は、干したり漬けたりして保存し、冬の間の食料にします。ほうれん草、玉葱、ニラ、茄子、にんにく、大根など種類は豊富です。

    大根などの漬物は、それぞれの家庭の味があり、平和だった頃には近所どうし、様々な民族の間に何の境界もなく、皆が自分の家の漬物を配ったり、もらったりしていました。自分の家で取れた物を、皆がモスクに寄進し、旅人はモスクで、必要な食べ物を得ることができました。

    必要なものを互いに供給しあう、思いやりに満ちた社会でした。長く続いた戦乱のため、現在アフガニスタンの子どもたちは、昔から私たちの社会にあったこのような豊かさを知りません。とても残念なことです。

    日本のお正月の少し後に、アフガニスタンでも、新年を迎えます。私たちの新しい年は1389年です。アフガニスタンに平和が訪れる年になるよう、願っています。(談・江藤セデカ〔特定非営利活動法人イーグル・アフガン復興協会 理事長〕)


環境とエネルギー(3)
気候変動枠組条約締約国会議(COP15) 町野 勤

    新年明けましておめでとございます。今年も環境とエネルギーに関する情報を送っていきます。昨年は、エネルギー問題については、書く余裕がなく、今年はがんばって情報を集めて書いていこうと思います。

    特に環境問題の中で地球温暖化対策とエネルギー問題はCO2排出量削減とエネルギー資源及び技術の問題で密接に関わってきます。今、これを書いているとき、コペンハーゲンで開かれていた11日間に及ぶ第15回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP15)が終了しました。

    2年前のバリ会議で、世界全体の長期的な温暖化ガスの排出削減目標を含めた「長期的協力行動に関する共通のビジョン」を目的とする「バリ行動計画」と2年間の交渉のプロセス(バリロードマップ)が合意され、その2年間の総決算となる今年、9月に行われた気候変動サミットでも、COP15で包括的な国際気候変動協定づくりが合意されるよう呼びかけられた。

    COP15では、長期的協力の4つの主要要素である、緩和・適応・資金・技術及びキャパシティビルディングについて議論されましたが、私が環境省で担当しているCCS(CARBON  CAPTURE AND STORAGE=炭素回収貯留)技術のCDMへの認可も検討され、当初の予想とは裏腹にEU、日本、オーストラリア、産油国の推進国のCDM認可への期待に対し、中南米、島嶼国などの反対で次回会議への検討保留が決まりました。

    COP15全体でも先進国と途上国で対立し、中国の削減目標の提示と日本や先進国への削減目標への批判など各報道で報じられたために際立ちましたが、その他にIPCC議長から気温の上昇を2.0-2.4°Cの範囲内に収めるには2015年より遅くない段階で世界の排出量がピークを迎える必要があると指摘があり、

    各国の発言の中、中央アジアでは、キルギスタンとタジキスタンは、山岳生態系の問題に対応することの重要性を強調し、カザフスタンが2020年までに1990年比で15%排出量を削減するとの約束を打ち出した。

    また、アフガニスタンは、適応に対する資金供与は政府開発援助(ODA)に追加的であり、これとは別のものでなければならないと強調した。また、気候変動に関する国際先住民フォーラム(INTERNATIONAL NATIVES PEOPLES' FORUM ON CLIMATE CHANGE)は、長期的協力の中に国際人権基準、特に国連の先住民の権利宣言を含めるよう求めた。

    そして、COP15の正式発表は、まだ休日なので読んでいないので、以下新聞記事から。
    「COP15は、19日、地球温暖化対策の新たな枠組み(ポスト京都議定書)に関する政治合意(コペンハーゲン合意)について、「合意に留意する」との扱いで、条件付きで採択し、閉幕した。

    主要国がまとめた合意案に対し、同日未明から始まった本会議で途上国の一部が反発。採決は全会一致が原則のため、賛成国のみに合意の効力が及ぶ形で決着した。(時事通信社 2009年12月19日)

    COP15は、仕事で関係していたので、注視していましたが、ワイン生産家が、ブドウの生産が気候変動によって影響を受けるということから、ワイングラスを鳴らすパフォーマンスがあったが、酒づくりが趣味な私にとって別の意味(ワインも醸造過程で少しCO2を出す)で考えさせられた。

    次回は、再生可能エネルギーの各技術(私の光合成細菌を使った有機廃棄物からの水素生産の研究も含む)について報告したいと思います。
    今年は良い年であります様に。(続く)


他団体情報

シンポジウム「日本の森林バイオマス利用を進めるには~日本林業復活のための提案」のご案内

    日 時:2010年1月15日(金)13:00~17:30
    会 場:早稲田大学大久保キャンパス(理工)63号館03-04会議室(副都心線西早稲田駅に直結 高田馬場駅より徒歩15分)
    主 催:NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク(BIN) l共 催:W-Bridge資料代:1000円(BIN会員は無料) http://www.waseda.jp/jp/campus/okubo.htm

    13:05~13:25 「木質バイオマス利用をめぐる状況と林業」 伊藤幸男(岩手・木質バイオマス研究会会長/岩手大学)
    13:25~13:55 「現在の林業の概況と課題」 熊崎実(日本木質ペレット協会会長/バイオマス産業社会ネットワーク理事)
    13:55~14:20 「国産材が使われない理由」 田中淳夫(森林ジャーナリスト)
    14:20~14:45 「日本林業を復活させるためには」 加藤鐵夫(元林野庁長官)
    14:45~15:10 「日吉森林組合の取り組み」 湯浅勲(日吉森林組合参事)
    15:10~15:35 「日本林業復活への道筋」 相川高信(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)
    15:50~17:30 パネルディスカッション「日本林業復活のための提案」

    コーディネーター:泊みゆき(バイオマス産業社会ネットワーク理事長) パネリスト:岡田久典(早稲田大学W-Bridge運営委員)、伊藤幸男、熊崎実、田中淳夫、加藤鐵夫、湯浅勲、相川高信 コメント:金谷年展(慶應義塾大学大学院政策メディア研究科教授)
    *時間および講演タイトルは一部変更になる可能性があります。

    ※日本で利用可能なバイオマスの半分以上が、森林由来のバイオマスですが、廃材の利用が進んだ現在、今以上の利用拡大には、林業振興が不可欠です。

    ※日本の木材需要は、人工林の更新分でまかなうことができ、木材価格も低いにもかかわらずなぜ、日本の木材自給率が2割程度なのか、日本の林業を産業として自立させるためにはどのような政策が必要でしょうか。

    ※日本の林業の状況について理解を深めつつ、個別の政策にとどまらず、総体としての林業をめぐる状況を捉えながら、どのような方策を行うべきかについて、林業および木質バイオマスの最前線に立つ方々が議論します。多数の方々のご参加をお待ちしています。

    ※参加を希望される方は、下記よりお申し込みください。http://www.npobin.net/apply/


●気になるユーラシア短信Ⅰ

チベット高原の急速な気温上昇、原因にインド亜大陸の「黒色炭素」 NASA

    【12月16日 AFP】米航空宇宙局(NASA)のウェブサイト「Earth Observatory」は15日、チベット高原(Tibetan Plateau)の急速な気温上昇と氷河融解の原因と目される大気中の黒いすすの広がりを今年の8月から11月まで追ったコンピュータによるシミュレーション映像を公開した。

    環境科学者らはこの黒いすすを、黒色炭素(ブラックカーボン)とも呼ぶ。画像が表しているのは今年の9月26日の黒色炭素のエアロゾル光学的厚さ(aerosol optical thickness)。エアロゾル光学的厚さは大気中の粒子が日光を吸収する量に基づいて大気汚染の程度を測る尺度だ。

    画像では、黒いすすが大気中に多い場所が明るく表示され、少ない場所は薄い紫色で表されている。黒いすすが付着して黒くなった雪や氷河は、日光を吸収して温度が上がる。

    チベット高原では、地球温暖化だけでは説明できない速度で気温上昇と氷河融解が起きていた。NASAと中国の科学者らは最近、チベット高原の5つの氷河の氷コアを調査し、主にインド亜大陸を中心としたアジア地域の上空の汚染物質による黒色炭素の密度が1990年代から急激に高くなっていることが、恐らくチベット高原の急速な気温上昇と氷河融解の原因だと確認した。

    【参考】Nasa Earth Observatoryの「黒色炭素」の画像ページ
    http://earthobservatory.nasa.gov/IOTD/view.php?id=41854


●気になるユーラシア短信Ⅱ

中国人農民受入計画とカザフスタン

    旧ソ連中央アジア諸国への中国人の流入は、各国で軋轢を生んでいる。キルギスでは、バザール(市場)への中国商人の進出に抗議運動が度々発生、タジキスタンでは、同国と中国とを結ぶ幹線道路が建設中だが、中国人労働者と地元労働者とのいざこざが絶えない。

    中央アジア随一の穀倉地帯であるカザフスタンでは、12月4日、ナザルバエフ大統領が中国への農地貸与計画をほのめかすと、ただちに反対の声が上がった。野党指導者は、計画は中国人の移民を招き、カザフスタンの「中国化」につながると警告、中国大使館前で小規模な抗議集会を行った。一方、政府関係筋は、中国への農産物輸出の経済効果を強調している。

    中央アジア諸国、とくに民間レベルで反中感情が存在することは否めない。中国資本の進出に伴う労働者・農業従事者の流入を中国による中央アジア植民地化の布石とする疑心暗鬼も見られる。

    しかし、中国を現実的なパートナーと見る傾向も強まってきていることも確かである。旧ソ連崩壊後、中央アジア諸国は、欧米の積極的援助がEUの中央アジア版=域内統合を促すものと期待した。

    だが、現実は期待からは程遠く、現在も経済危機の只中で欧米諸国は国内問題で手一杯である。他方、中央アジアをエネルギー調達地と見なすだけでなく、同地域に対してインフラ整備や借款にも力を入れ始めた中国に注目が高まりつつある。(2009年12月17日ラジオ自由ヨーロッパ)


編集後記:400年余り続く地下資源依存型社会とその社会を維持するための植民型帝国の拡大の結果のCOP15。「排出ガス」が温暖化の原因とすれば,地下資源依存型の先進国の責任が大きいのは明らか。途上国を巻き込んで「排出量削減」で世界の首脳が顔をそろえるのではなく,「太陽と水」をテーマにした循環型エネルギーの開発こそ人類を未来につなぐ課題であると協議して欲しい。地下資源依存国からの脱皮。日本の再生の鍵の一つもこの方向にある。チベットや日本海側の山林を襲う汚染物質はその象徴だ。政治的リーダーシップをこうした戦略的ビジョンで発揮してほしい(お)


発行:特定非営利活動法人ユーラシアンクラブ 発行人:大野遼 住所:〒151-0053東京都渋谷区代々木2-13-2 第一広田ビルTEL:03-5371-5548 FAX:046-285-4895 E-MAIL:paf02266@nifty.ne.jp ホームペイジ:http://eurasianclub.cocolog-nifty.com/ 郵便振替:00190-7-87777ユーラシアンクラブ。お振り込の場合:ゆうちょ銀行0一九店 当座預金 0087777 ユーラシアンクラブ 会費、ご寄付はこちらへお願い致します。ご連絡はメールかファックスを希望します。
2010 01 01 Non Profit Organization Eurasian Club

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